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最近の読書 2016年夏 その2 ―覚え書― [本(小説 他)]

引き続き、古典文学短編。今回は恋愛物です。
再度じっくり読み返したいような、じわじわ心に沁みてきそうな二作品でした。


「林檎の樹」   ゴールズワージー   渡辺万里 訳   新潮文庫   

これは絵本関係で検索していて見つけました。
タイトルは知っていたが、こんなものがあるのを忘れていました。
短編だし、レビューも良さそうなので読んでみました。

林檎の樹 (新潮文庫)

林檎の樹 (新潮文庫)

  • 作者: ゴールズワージー
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1953/08/10
  • メディア: 文庫


銀婚式の日、主人公のアシャーストは、妻と共に、若き日の思い出の地を訪れます。
彼の胸に去来するものは・・・

筋立ては、いたってシンプルだが、何より読ませるのは文章の美しさと繊細な描写。(漢字の使い方とか、訳が良い)
田舎の風景や人物の心理が情感豊かに細やかに描かれて、小説の醍醐味を味わえます。(「文学」という言葉を意識した)。

(ここからはネタばれ)





後半、アシャーストの1日(?)での心変わりに驚いたが、ここでも、彼の葛藤や心理描写は読ませます。
最後が(ミーガンに対して、何の連絡も取らなかったこと)あまりにあっけないと思ったが、エピローグで意外な結末を知ることになった。

アシャーストは、ミーガンを納得させるような手紙を書けなかったのか?と思ったが(やっぱりミーガンがかわいそう)、そうしていたら、全然展開が、話が違うものになっただろう。
アシャーストを後悔させる(?)ことがテーマの一つなのかなと思いました。

最後に(創作)年があって、1916年というのがすごいタイミングでした。

(読み終わった夜、夢に20代に好きだった人が出てきてびっくり。しかもドラマ仕立て)。




「はつ恋」   ツルゲーネフ   神西 清 訳   新潮文庫   

はつ恋 (新潮文庫)

はつ恋 (新潮文庫)

  • 作者: ツルゲーネフ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1952/12/29
  • メディア: 文庫



有名なのでタイトルは知っていたが、今さら読まなくてもいいかと思っていた。
でも、宝塚で近年、舞台化した記憶があって、気になってきました。

十六歳のウラジミールは、別荘の隣りに越してきた、年上の落ちぶれた公爵令嬢ジナイーダに恋をする。

(舞台を)調べている内に、あらすじを知ってしまった。(でも、楽しみがなくなったわけではない)。
主人公ウラジミールの回想(初恋話を友人たちに披露)という形で、話がさくさく進むので、読みやすかった。

(前半)これといった事件は起こらないが、当時の時代背景や人物の情景描写で、わりとおもしろく読めた。
ウラジミールの現代と変わらない恋心に親近感を持った。
ジナイーダが魅力的だし、彼女の取り巻きたちも良い味付けになっていた。

ジナイーダが恋をしていると知ってから、その相手がわかるまでの心理は結構どきどきした。
その後の展開は、あっけないと言えばそうだが(父やジナイーダのことは外側からしか描かれていなく)、リアリティがあって、文章表現も好きだ。
ジナイーダは、かえってウラジミールの心に永遠に残ることになったのだ。
ジナイーダの崇拝者やウラジミールが彼女の心を求めていないような(?)話も新鮮で良かった。

「彼女の前へ出ると、まるで火に焼かれるような思いがするのだが― ただそうして溶けて燃えてゆくのが、わたしにはなんとも言えずいい気持ち―」
「―これが恋なのだ」というテーマがシンプルに伝わってきた。(ちなみにタイトルの「はつ恋」(ひらがなで書く)というのが良い)

天気で言うと、ずっと曇り空で(雨も降るが)、時々柔らかな光が射すのが美しいようなイメージの物語でした。



 


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