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最近の読書 2017年春 その3 ―覚え書― [本(小説 他)]

最近、現代ものを読んでいます。(偏っているが)


「青い鳥」   重松清   新潮文庫   


青い鳥 (新潮文庫)

青い鳥 (新潮文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/06/29
  • メディア: 文庫


これは下記の「きみはいい子」の後で読みました。
「きみはいい子」が思ったよりいまいちで、リベンジ(?)のため、これを思い出した(重松さんの作品の中でも気になっていた)のです。
内容は吃音の先生の話、ということしか知らなかったのですが、生徒との交流や心情など、自分が読みたいものが読めるかなと思いました。 


やっぱり泣ける。
中学の非常勤講師、村内先生と一人の生徒との物語が八編。

村内先生は吃音でうまく話せないが「たいせつなこと」しかしゃべらない。(こういう先生が必要な生徒がいるのだ)
交流というほど言葉を多く交わすわけではなく、一瞬のふれあいが多いが、「たいせつなこと」なので、確実に生徒の心には残って(私の心にも)、出会えた(作中では「間に合った」という表現をしている)生徒は、道しるべみたいなものをつかんで幸せだなと思える。

(かつての)自分とは違った悩みでも、「ひとりぼっち」というのは共通していて、心に寄り添ってくれる、癒される、そばにいてほしい(手元に置きたい)と思うような話ばかりだった。
いや本当に、こんなに心が潤う小説はあまり読んだことがない。
その子の正直な感情は、心に入ってくるものばかりだった。

個人的に好きなのは「ハンカチ」「静かな楽隊」「カッコウの卵」
自分に近いから。

「ハンカチ」は場面緘黙症の少女の話。ハンカチを常に持っていて、「ハンカチが自分の言葉を吸い取ってくれる」というような表現があったが、自分にとっては、この話が(八編の話が)自分の思いを吸い取ってくれた、聞いてくれた、みたいな気持ちにもなった。

表題作の「青い鳥」は、いじめの話で、今さらながらに、教えられることがいっぱいだった。
いじめた「責任」についての言葉が心に残った。「忘れてはいけない責任」

「いじめはひとを踏みにじって、苦しめようと思ったり、苦しめていることに気づかず、苦しくて叫んでいる声を聞こうとしないのがいじめ」

「本気の言葉がわからないみんなだから、先生はここに来ました」と村内先生は言ったが、こういう先生がどの学校にもいてほしいと思いました。

「本当にたいせつなこと」を教えてくれる物語です。





「きみはいい子」   中脇初枝   ポプラ社   


きみはいい子 (一般書)

きみはいい子 (一般書)

  • 作者: 中脇 初枝
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2012/05/16
  • メディア: 単行本


同じ街(桜が丘小学校周辺)が舞台の五編の話。
タイトルがわざとらしい感じもするが、現代の子どもを取り巻く人間関係を知れるかと思い、読んでみました。


虐待やいじめなどがドラマの中に入っている。あくまで入っているという程度で、テーマと言うには物足りない。共感するところもあるが、きれいにまとめすぎな気がした。
読んだ後、残るものがあまりなかった。
読む前に思った、現代を知った、という程度で、小説だったら、人物の心理をもっと深く描いたものを読みたかった。

「サンタさんの来ない家」は、桜が丘小学校へ赴任した教師一年目の岡野先生とある生徒との交流(?)の話。
でも、本当の意味で交流が出来そうなところで終わっている。その先が読みたいと思うのに。
その子の心情は先生から見た、表面的なことしかわからない。

家族にハグをしてもらう宿題のエピソードは、その子にとっては、傷つくものにならなかったかな?とか考えてしまった。
岡野先生へのいじめの話としても読めた。だめ教師にされるのは気の毒だ。

「うばすて山」は、子ども時代、母親に虐待された主人公が、三日間、認知症の母親を預かる話。現在と過去の話が交互に描かれる。
過去の虐待はひどすぎると思うが、現在は雑誌の編集長にまでなって、仕事をしている(できている)というのが、リアル感が薄い。(自分なんて、社会で働くこと自体、難しいというか大問題だったのだ)。
良い人に出会えたエピソードはあるが、やっぱりきれいにまとめすぎな気がした。

「べっぴんさん」はわりとリアルだったけど、これも最後の方が都合良すぎみたいな。
他の話も悪くないが、すらすら読めて、流してもいいみたいな気になりました。


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