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最近の読書 2017年夏 その3 ―覚え書― [本(小説 他)]

まだまだ暑い日が続いて、出かけるのもおっくうです。
現代物はあまり読んでいないので、最近、挑戦しています。



「夏の庭」   湯本香樹実   新潮文庫   


よく目に付いて、タイトルは昔から知っていたが、テーマに何となく躊躇していた。
ページ数が、借りるのにちょうど良く、季節も合うので(ようやく)読んでみようと思いました。

夏の庭―The Friends (新潮文庫)

夏の庭―The Friends (新潮文庫)

  • 作者: 湯本 香樹実
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/03/01
  • メディア: 文庫


人の死というものに、興味を持った少年三人が、その瞬間を見ようと、一人の老人を観察し始める。
物語の導入部が良くて、興味を持って読み進められた。
老人と交流が始まるのも予想通りだが、タイトルの夏らしい季節感を盛り込んだエピソードなど、良かった。

でも、(年がいった自分が読むと)後半も同じ調子で「いい話」ばかりなのが、ちょっとわざとらしく思えるところもあった。
台風の中、おじいさんの家へ行ったり、川原で絡んできた男と仲良くなる話など。


はっとする言葉もわりとあった。

「そんなにたくさんの思い出が、このふたりの中にしまってあるなんて驚きだった。もしかすると、歳をとるのは楽しいことなのかもしれない」

「―ほんとは生きてるほうが不思議なんだよ、きっと」

同じ年頃の子どもには良い作品だと思います。




「アカペラ」   山本文緒   新潮社   

アカペラ

アカペラ

  • 作者: 山本 文緒
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/07
  • メディア: 単行本


初めて読む作家です。名前さえ知らなく、直木賞「プラナリア」の関連で見つけました。(「プラナリア」は短編集みたいで、長さや内容的にもこちらの方が合うかなと)
現代物で、自分に合いそうなものをさがしていて、行き当たりました。普通(?)よりちょっと外れていて、でも、自分の範囲で読めそうで、重すぎなく軽くないという、難しい条件で。

結構当たりでした。良かった。
「アカペラ」「ソリチュード」「ネロリ」の三編。家庭に少し問題を抱えていたり、立場が弱かったりして、普通から少し外れて生きている人の話が親近感があった。

上記の「夏の庭」の後に読んで、文体の違いにぶっとんでしまった。
最初の「アカペラ」は15歳の少女の一人称で語られるからだが。途中、彼女の担任の教師に視点が変わったのもびっくりした。

文体はとまどったが、内容はおもしろい。家庭に問題を少し抱えている少女だが、たくましくて、悲壮感もあまりなく、感情移入しやすかった。

「ソリチュード」は父親の死をきっかけに、二十年ぶりに帰郷する男の話。
最初の一文が「おれは駄目な男です」というのが、また興味をそそる。読んでみるとそれほど駄目男とは思えなく、それなりの理由や傷を抱えているのが、少しずつ明らかになっていく展開や描写がいい。

「ネロリ」。タイトルの意味がわからなかったが、アロマオイルの一種らしい。
病弱で39歳まで一度も働いたことがない弟と暮らす独身の姉が主人公。これもまた途中で視点が変わって、弟のGF(?)と、二人の女性の話。

少し変わった人間関係の中で生きている人の話だが、エピソードもおもしろく、読みやすかった。
最後で、「人生がきらきらしないように、明日に期待しないように生きている彼ら」(決して投げやりとか言う意味ではないのだ)というのがあったが、この空気感みたいなものが心地良かった。






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